Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、懐かしの同人ゲーム、将棋について書きます。

同人ゲーム

美しきヴァンパイアとの対立。良質な女性向けファンタジーAVG

今までにプレイした女性向け同人アドベンチャーゲームの中で、一番好きなのは『時函』ですが、二番目はこちらの作品になります。 サークル水桜月(みかつき)が2009年にリリースした『漆黒ノ月』。女性向けという枠組みですが、乙女でもBLでもなく、一般向け…

良作怪作なんでもあり! ティラノゲームフェス

先日のノベルゲーム制作ツールの歴史でも取り上げましたが、今もっとも人気のツールのひとつがティラノスクリプト&ティラノビルダーです。 tyrano.jp タグリファレンスの充実、活発なコミュニティ、有志によるお役立ちプラグインの公開など、初心者にとって…

著作権切れ小説をサウンドノベル化したらパクリと言われた件

フリーゲーム作家時代、私は著作権切れ小説を使ったサウンドノベル、その名も『名作サウンドノベルシリーズ』を制作していました。今もベクターで公開しています。 その小説はどこから手に入れるかというと、もちろん青空文庫からです。以前から主張している…

これがなければ月姫もひぐらしも生まれなかった! ノベルゲーム制作ツールの歴史

今冬、ラノゲツクールMVというのが発売されるそうです。 tkool.jp ここ数年、個人企業問わず、どんどんと新しいノベル・アドベンチャーゲーム制作ツール(以下AVG制作ツール)がリリースされており、喜ばしいことです。同人ノベル・アドベンチャーゲームはこ…

グロテスクなゲームをレビューしたら文句を言われた件

以前私はノベル・アドベンチャーゲームのレビューサイトを運営していました。作者の方たちからお礼のメッセージをいただいたりすると、ささやかな充実感があったりしたわけですが、時にはおかしな経験をすることもありました。 切っ先が、私の胸に沈んでゆく…

フリーゲームコンテストの思い出

フリーゲーム作家から創作活動を開始した私ですが、たびたびフリーゲームコンテストに参加していました。 ふりーむ![ 第1回ふりーむ!ゲームコンテスト:結果発表 ] 現在も続いている「ふりーむ!ゲームコンテスト」の第1回に『稲妻教師&女教師 伝説の教…

伝説のフリーホラーノベルゲーム、その知られざるバージョン

今も多くのクリエイターに愛用されているノベル・アドベンチャーゲーム制作ツールの「吉里吉里2/KAG3」。私がはじめてノベルゲームを作ったときも、これを使わせてもらっていました。あの『Fate/stay night』に採用されたことでも知られています。 このツー…

特選 ゼロ年代フリーAVGレビュー

これまで主に有料の同人ゲームを取り上げてきましたが、もちろんフリーゲームのほうがプレイ経験は多いです。それで数年前、このようなブログを書いていたことがありました。 ch.nicovideo.jp 2000~2009年にリリースされたフリーのノベル・アドベンチャーゲ…

学怖ファンは必見。大学生にもなってあった怖い話

私が『学校であった怖い話』の大ファンであることは以前書いたとおりですが、この作品のパロディもいろいろとあるものです。 サークルエキゾチック占姥が2010年にリリースした『大学生にもなってあった怖い話』。これを発見したときの衝撃といったらなかった…

いじめられっ子がノベルゲームの主人公にふさわしくない理由

今回は『REVIVAL RESET』のレビューを補足する記事となります。 araicreate.hatenablog.com 本作はとても素晴らしい魅力を備えた作品ですが、明確な欠点もありました。主人公・瀧瀬結真のキャラクターです。 結真は日常的にいじめに遭っており、孤独で暗い性…

妹は何度でも死ぬ。戦慄のデスゲーム

『親愛なる孤独と苦悩へ』のレビュー記事は多くの人に見ていただけました。この記事がきっかけでプレイした、感動した、泣けた……そんな人が増えてくれればいいなと思っています。 araicreate.hatenablog.com 今回は彼の前作となる『REVIVAL RESET』のレビュ…

水仙の花言葉は? 空虚な現代人を描いた大ヒットフリーAVG

フリーゲームからはじまり、ノベライズ、コミカライズ、コンシューマー化など次々と商業展開を果たす……クリエイターにとっては夢のような話ですが、こちらはその代表的な例でしょう。 個人サークルステージ☆ななからリリースされた『ナルキッソス』。 作者は…

虚淵玄が唯一作った同人ノベルゲーム

オークションで高いお金を払ってでも手に入れたい……そう思い、実際に実行した唯一の同人ノベルゲームがこちらです。確か8,000円くらいで競り落としましたかね。 2003年、サークルEERGEDがリリースした『浄火の紋章』。帯のキャッチコピーにはこうあります。 …

フリーアドベンチャーゲームを作り続けて15年以上。感嘆の継続力

一作も世に出せず空中分解してしまう同人サークルが少なくない中、15年以上の長きにわたり、ひとりでアドベンチャーゲームを作り続けているクリエイターもいます。 ファンタジーアドベンチャー『アークサイド』。 学園ホラーアドベンチャー『学校七不思議』…

奈須きのこが大絶賛したFate二次創作ノベルゲーム

同人ノベルゲームに多大な影響を与えたTYPE-MOONの『月姫』、そして『Fate/stay night』。これらの二次創作といえば、18禁かアクションなどの他ジャンルがほとんどで、本格的な物語性を持つ作品はほとんどありませんでした。ノベルゲームにするとなると、TYP…

白か黒か。その選択の果てに貴方は殉愛を知る

圧倒的物語力。それがこの『灰瞳に機す』という作品を端的に言い表す言葉だと、私は考えています。 殉愛ビジュアルノベルというジャンル名が示すように、その愛にいかに殉じるかという選択を突きつけられた少年の、あまりに悲壮な物語。白か黒か、たったひと…

親愛なる孤独と苦悩へ。天の同人作家に捧ぐレビュー

彼とは一度、昨年のコミティアで話したことがある。 ご存じのとおり、コミティアはオリジナル作品のみを頒布できる即売会だ。パロディ無用、己の創意工夫のみで勝負する、楽しくも厳しい世界。 先日、即売会での頒布部数について話題になっていた。オリジナ…

魅惑のシルクロード。美と情熱の踊り子アドベンチャー

まずはこのパッケージをご覧いただきましょう。 個人サークルAmbivalenceが2008年にリリースした『月と太陽のラクシャルキ』。どうですか、この魅惑的なおっぱい。 砂漠を股にかける交易商人のカリム・ラムル兄弟は、2年ぶりにジャンナ王国へ戻った。持ち帰…

同人ゲーム界に咲いたひまわり。壮大なるSFアドベンチャー

2007年、同人ノベル・アドベンチャーゲームは07 Expansionの第二作『うみねこのなく頃に』や先日も記事にしたアパシーシリーズで盛り上がっていましたが、人知れずもうひとつの名作がその産声を上げていました。 サークルぶらんくのーとがリリースした『ひま…

鬼才・渡辺僚一現れり。大長編ビジュアルノベル

ああ、これこそが同人だ。 何にも囚われない。人真似ではない。独自の世界を持つ物語。 そう思った数少ない作品のひとつがこちらです。 サークル半端マニアソフトが2003年にリリースした『冬は幻の鏡』。この作品を知ったきっかけは、さる大手レビューサイト…

フリーゲーム時代からヒット連発。大人気やり込みSLGシリーズ

同人ゲームはもっぱらノベル・アドベンチャーを愛好してきましたが、もちろん時にはそれ以外のジャンルもプレイしてきました。中でもこちらを特に。 個人サークル犬と猫による、ファンタジー世界イシュワルドを舞台にしたRPG・シミュレーションゲームシリー…

小説版ファンも要チェック。ドラクエ二次創作の最高峰

ドラクエ11が大人気ですね。私はハードを持っていないこともあって、プレイしていません。というより、私のドラクエ履歴は7で止まってしまっています。ハードも買おうと思えば買えるんですが、この歳になると何十時間もRPGするというのが、どうにも難しいな…

まだ完成を待っている。戦闘的残酷ビジュアルノベル

同人ゲームが完成する割合。はたしてどれほどあるやら? もちろん統計などあるはずもないですが、二割にも満たないのではないかというのが私の印象です。完成させたことがあるだけで、もうすごいのです。胸を張って誇っていい。 さて、未完の作品の中にも傑…

月姫誕生前夜。その才能をひたすら信じた男

こんなまとめが話題になっていました。 togetter.com TYPE-MOONの創立者、奈須きのこと武内崇の両氏はいかにして出会い、『月姫』をリリースにこぎ着けたかが簡潔にまとめられています。 このまとめで言及されている月姫読本はもう絶版ですが、プレミアがつ…

『学校であった怖い話』復活から10年。ゲームクリエイター飯島多紀哉の今

ちょうど10年前の2007年夏、同人AVG愛好家として特に印象深い出来事がありました。 ゲームクリエイター・飯島健男の復活。 1980年代から第一線で活躍し、古くからのパソコンゲームユーザーには『ラストハルマゲドン』『BURAI』などで知られますが、私にとっ…

商業への飛躍。ギャングと歌姫が織りなす現代サスペンス

アマチュアクリエイターにとっての夢、それはやはり商業進出です。同人ノベル・アドベンチャーゲームの発展は業界関係者の注目を集め、数多くのサークルをメジャーの舞台に立たせました。その代表格はもちろんTYPE-MOON。『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07氏…

『ゲーム』へのあくなきこだわり。熱き魔女っ子アドベンチャー

ノベル・アドベンチャーゲームがゲームとは呼ばれていても、実際はテキストを読み進めていき、時には選択肢を選ぶだけのコンテンツであるのは、みなさんご承知のとおりです。 だからこのジャンルは「サウンドノベル」とか「ビジュアルノベル」とか呼ばれてい…

君への想いが、世界を壊す――超大作同人乙女ゲーム

先日、レンタル倉庫から引き上げた同人ノベル・アドベンチャーゲームを整理すると書きました。要するに中古ショップに買い取りしてもらうということなのですが、中には10,000円以上もの査定が出たゲームもあってビックリ仰天です。今は商業に進出したブラン…

月姫フォロワーの中でひときわ輝いていた伝奇ノベル

同人ノベル・アドベンチャーゲームは、メジャーにはなりきれないまでも現在に至るまで多くの根強いプレイヤーと制作者を生み出しています。TYPE-MOONが2000年にリリースした『月姫』がその裾野を広げたことに異論を唱える人は少ないでしょう。もう原作をプレ…

商業リメイクの叶わなかった、とある同人サスペンス

コメントでリクエストがあったので、これまでに購入してきた同人ノベル・アドベンチャーゲームの中から忘れられないものを紹介していきます。今後、定期的なネタにするつもりです。 サークルFestivalから2009年にリリースされた『ABYSS -殺人クラブ-』。 な…

大ヒット作家・七月隆文氏が作ったギャルゲー

コミケが近いですね。同人ノベルゲームから創作者としての道を歩んできた私ですが、サークルとしても一般参加者としても、もう何年もコミケには足を運んでいません。正直、気候的にキツくなってしまったのです。 さて先日、レンタル倉庫に預けていた同人ゲー…